住宅ローンの借入に健康診断書の提出は必要なの?
健康面に不安があるんだけど、住宅ローンの審査通るかしら・・・
こんな疑問に答えます。
住宅ローンを組む際、健康診断書の提出が必要なのか気になっている方も多いことでしょう。実は、住宅ローンを借りる際には、団体信用生命保険(団信)に加入することが一般的です。
しかし、健康状態によっては団信に加入できない場合もあります。この記事では、住宅ローンに健康診断書の提出が必要なのか、団信加入できなかった場合の対処法についてご紹介します。
健康に不安がある方も、住宅ローンについてよく知っておくことで、安心して購入に臨むことができます。
銀行員として、私は企業や個人の融資業務を担当していました。本記事では、住宅ローンの団体信用生命保険についてお話しします。
結論から言うと、住宅ローンを申し込む際には、原則として健康診断書の提出は不要です。
- 住宅ローンの審査における健康診断書の必要性
- 団体信用生命保険(団信)とは
- 団信に加入できない場合の対処法!住宅ローンを諦めずに乗り切る方法
この記事を読んで、住宅ローンの審査における健康診断書の有無や団信に関する疑問を解消し、よりスムーズに住宅ローンを組むための知識を得ることができます。
住宅ローンの審査における健康診断書の必要性
住宅ローンを組むにあたって、健康診断書を提出する必要があるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。住宅ローンの審査において、健康診断書の提出は原則不要です。
健康診断書の提出の代わりに、団体信用生命保険の申し込みを行う必要があります。団体信用生命保険は審査があり、申し込み時点での健康状態について告知をします。
団体信用生命保険の告知とは
団体信用生命保険の加入申込時には、契約者が保険会社に対して、自身の健康状態や職業などについて正確かつ完全な情報を提供する「告知義務」があります。これを守らない場合、保険金の支払いが拒否される可能性があるため、契約者は注意が必要です。
告知書の内容は主に以下の内容です。
- 3ヶ月以内の治療や投薬歴
- 3年以内の手術や2週間以上継続した治療や投薬
- 2年以内の健康診断や人間ドックで再検査
- 手・足の欠損・機能に障害があるか
- 背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害があるか
自己の病歴や既往症、現在の治療状況などについて、正確に記載する必要があります。また、加入後に健康状態に変化が生じた場合には、保険会社に速やかに報告することが求められます。
告知書は申し込み時点の健康状態を「あり」・「なし」で答えるものです。治療などを受けた場合は申告が必要になるのでお薬手帳やメモなどで記録しておきましょう。
告知書は契約者自身が記入するため、記載漏れや誤りがある場合には、保険金が支払われないことになります。そのため、契約者自身がしっかりと自己の健康状態や職業などについて認識し、正確な情報を提供することが大切です。
偽りの告知をするのは絶対ダメ!
団体信用生命保険において、告知書に虚偽の申告をした場合、保険金の支払いを受けることができない場合があります。
告知義務は保険契約において非常に重要なものであり、契約者が正確かつ完全な情報を提供することで、保険会社がリスクを正確に評価することができます。
もし虚偽の申告があった場合、保険会社は契約を解除し、保険金の支払いを行わないことがあります。ただし、虚偽の申告が保険金の支払いに関係のない軽微なものである場合、保険会社が契約を継続し、支払いを行うこともあります。
審査結果に影響する病歴や既往歴
団体信用生命保険の審査では、契約者の健康状態を確認するため、以下のような病歴や既往歴が影響を与える場合があります。
- がんの治療歴
- 心臓病や脳卒中などの循環器系の病歴
- 糖尿病や高血圧などの生活習慣病の既往歴
- 精神疾患の既往歴
- HIV感染や肝炎などの感染症の既往歴
これらの病歴や既往歴がある場合、保険会社は保険金請求時に困難が生じる可能性があるため、保険金請求時のリスクを考慮して保険金の支払いを拒否することがあります。
ただし、全ての病歴や既往歴が審査に影響するわけではありません。具体的には、症状の程度や治療経過、現在の状態などを総合的に判断して、保険会社が審査結果を決定します。
健康診断書を求められるケース
住宅ローンを組む場合、借入先である銀行や信用金庫から、団体信用生命保険に加入することが条件とされる場合があります。
その際、保険会社が保証するために、契約者の健康状態を確認する必要があります。そのため、健康診断書を提出するよう求められる場合があります。
健康診断書は、医師が健康状態や病歴、既往歴を記載したもので、保険会社がリスク評価を行うために必要な情報を提供するものです。
ただし、全ての場合で健康診断書が必要となるわけではありません。保険会社によって異なりますので、申込前に必要書類について確認することが重要です。
住宅ローンの団体信用生命保険(団信)とは
団信とは一体何なのでしょうか?この記事では、団信の基本的な仕組みや加入のメリット、注意点などについて解説します。
住宅ローンを組む際に必要な団体信用生命保険(団信)とは、契約者が死亡した場合などにローン残高が完済される仕組みです。団信に加入することで、ローン残高が残っている場合でも家族が残されることなく、住宅を手放すことなく住宅ローンを完済することができます。
保険金が支払われることで融資残高が相殺され、残された家族や相続人が融資残高を抱えることがなくなることです。また、借り手自身が急病や怪我で働けなくなった場合にも、保険金が支払われることで返済に充てることができます。
ローン返済中に病気やけがで働けなくなった時にカバーしてくれます。実際にローン返済中(団信加入)のお客様が急性心筋梗塞で入院された際にも、保険会社から全額支払われました。
ただし、団信には注意点もあります。例えば、保険金の受け取り条件には厳しい基準が設けられている場合があります。また、保険料が借入額に応じて高額になることもあります。
加入にあたっては、必ず保険会社の審査があります。審査には健康診断や医療診断書の提出が必要なケースもあり、過去の病歴や既往症、喫煙歴などが加入の可否に影響を与えます。
ただし、加入にあたっては銀行や保険会社によって異なるため、詳細な情報については各金融機関にお問い合わせいただくことをおすすめします。
団信に加入できない場合の対処法!住宅ローンを諦めずに乗り切る方法
住宅ローンを組む上で、団体信用生命保険(団信)に加入することは一般的に必要ですが、団信に加入できない場合にはどうすれば良いのでしょうか?
団信に加入できない場合の対策として、以下の方法があります。
団信に加入できなかった場合でも、別の引受保険会社が運営する保険商品を利用することができます。そのため、別の金融機関に申し込んでみることで、団信に加入できなかった場合でも住宅ローンの審査に通る可能性があります。
ワイド団信は、通常の団信よりも保障範囲が広く、健康状態によっては加入が難しいとされる団信に比べて加入しやすいとされています。ワイド団信に加入することで、団信に加入できなかった場合でも住宅ローンの審査に通る可能性があります。
一部の金融機関では、団信に加入することが任意となっているフラット35を提供しています。この場合、団信に加入しなくても住宅ローンの審査に通ることができます。ただし、利用できる金融機関が限られるため、自分に合った金融機関を探す必要があります。
以上のように、団信に加入できなかった場合でも、対策を講じることで住宅ローンの審査に通ることができる場合があります。ただし、各対策にはそれぞれメリット・デメリットがありますので、自分に合った方法を選択することが重要です。